

ロボットを動かすプログラムをつくるエンジニアに
「プログラミングって、将来役に立つの?」そんな疑問を持つ子どもたちや保護者の方も多いのではないでしょうか。その答えを探るため、実際にプログラミングを仕事にしている現役エンジニアにお話しを聞いてみました。
ゼロワングランドスラムの冠協賛社である、ヤマハ発動機株式会社のロボティクス事業部で、ロボットを動かすためのUI(ユーザーインターフェイス)の開発者として、日々プログラミングをお仕事に使われている長岡知信さんに、お話を伺いました。

プログラミングとの出会い
―プログラミングを始めたきっかけは?
大学の工学部のカリキュラムで、プログラミングの講義を履修したのがきっかけです。初めての言語はMATLABでした。初めて書いたのは「Hello World」の表示や、2+3など簡単な計算でした。専用のコンソールに文字を出力しただけなので大した感動もなく、ここからどうやって自分たちがよく使うアプリやゲームに繋がっていくんだろう…という疑問だけが残りました(笑)。
―子どものころは、どんな遊びや趣味が好きでしたか?
いろいろな習いごとをしていましたが、その中でもそろばんが特に好きでした。算数が好きで、「ドラえもん」の学習まんがシリーズで、小学生の授業を何年も先取りするほど、夢中になりました。
現在のお仕事について
―普段のお仕事では、どんなプログラミングを使っていますか?
お客様が工場で動かすロボットを操作したり、プログラミングしたりするためのソフトウェアであるUI(ユーザーインターフェースと呼ばれています)を開発しています。
―仕事をしていて、やりがいを感じる瞬間は?
実際に考えたものが形になったときです。バグが何度も現れては修正していき…を繰り返した先に、ようやくすべてがうまく動いたときの達成感は、難しいパズルを解いたときのような気持ちよさがあります。

ゼロワングランドスラム2025 2回戦関東会場のワークショップの様子
プログラミングの可能性
―プログラミングスキルが身につくことで、どんないいことがありますか?
直接的にプログラミングをする仕事はもちろん、それ以外の仕事でも、例えば事務作業を効率化したいと思ったときに、プログラミングでツールを作ることができます。人生がより便利になる、という意味では他の勉強と同じですね。
また、プログラミングでは、エラーの原因を特定するために「問題の切り分け」を行うことがよくありますが、これは日常の問題解決にも使えます。例えば「スマホが充電できない」という問題が発生したときに、別のコンセントに挿してみたりケーブルを替えてみたりすることで、電源・ケーブル・スマホのどこに問題があるのか確かめるという思考が、自然と身につくと思います。
―AIが進化する中で、プログラミングスキルはどうなっていくと思いますか?
短期的には、AIにも得手不得手があるので、それを見極めて適切な部分にだけ指示を出せるプログラマーが、より効率的にコードを書ける時代になると思います。面倒な計算を電卓にやってもらうようなイメージです。
長期的には、どんなにAIが優秀になっても、ゼロからアイディアを出すのは人間がやらないといけないので、何を作るかを人間が考えてAIが書く、という役割分担になっていくと思います。
子どもたちへのメッセージ

―プログラミングを学ぶうえでのアドバイスは?
まずは、変数、if、ループ、配列、関数などといった、基礎を覚えましょう。基礎が分かれば新しい言語もすぐに習得できますし、分からないことも適切な単語を組み合わせて効率よく調べることができます。
次に、自分で調べる習慣を身につけましょう。プログラミングというのは、分からないことや覚えきれないことだらけです。足りない部分は積極的に周りの情報に頼っていきましょう。
―プログラミングスキルが上達するコツは?
細かく順序立てるクセをつけることです。一日の予定を時間割で立ててみてください。それができたら、きっとプログラミングもできます。
エラーが出たときは、一旦諦めましょう(笑)。エラーから離れて息抜きに散歩したり読書したり、好きなことで遊んだりしてみてください。思考のスイッチを切り替えることで、思わぬ発想が浮かぶことがあります。それでも解決しなければ、他の人に相談してみましょう。人に頼るのもプログラマーとしての大事な資質です。
―将来エンジニアになりたい子どもたちへ、メッセージをお願いします。
好奇心をたくさん持ってください。どれだけ頭がよくても、知識がなければ優れたエンジニアにはなれません。その知識を育てるのは好奇心と、自ら学ぼうとする意欲です。学校の勉強でなくてもいいですし、直接エンジニアと関わりのないものでも構いません。ぜひ多くのことに興味を持ち、多くのことに挑戦してみてください。
企業紹介

― ヤマハ発動機株式会社
ヤマハ発動機は、「感動創造企業」を企業目的に、バイクや電動アシスト自転車などの「ランドモビリティ事業」、船のエンジンやボートなどの「マリン事業」、そして産業用ロボットやドローンなどの「ロボティクス事業」を通じて、世界の人々の喜びや驚き、高揚感、そして幸福感の実現を目指しています。



